アミノ酸が多く含まれる食べ物は?効果的な摂取方法についても解説

アミノ酸はたんぱく質を合成する成分で、生きる上で欠かせないものです。また、体内で合成されないアミノ酸を「必須アミノ酸」と言い、必須アミノ酸は普段の食事から摂取する必要があります。健康や美容を目的として食べ物からアミノ酸を摂取したくても、どの食べ物にアミノ酸が多く含まれているか分からない方も多いでしょう。

そこで今回は、アミノ酸を摂取する際に覚えておきたいアミノ酸スコアや、アミノ酸が摂れる食べ物について詳しく解説します。食べ物からアミノ酸を効果的に摂取する方法についても触れているため、ぜひ最後までご覧ください。

アミノ酸を食べ物から摂取するならアミノ酸スコアが重要

食事から必須アミノ酸を摂取するには、食品ごとのアミノ酸スコアを把握することが大切です。アミノ酸スコアとは、たんぱく質の量と必須アミノ酸(BCAA)のバランスを数値化したもので、各食品の栄養価の指標になります。

アミノ酸スコアの計算式は、以下通りです。

食品たんぱく質中の第一制限アミノ酸保有量÷アミノ酸評定パターン×100

「第一制限アミノ酸」とは、9種類の必須アミノ酸のうち最も不足しているアミノ酸のことで、アミノ酸スコアは一番少ないアミノ酸の値をもとに算出されるのが基本です。

アミノ酸スコアの最大値である100に到達するには、1つの成分が突出しているだけでは見なされず、すべての必須アミノ酸において100を満たす必要があります。つまり、アミノ酸スコアが100に近いほど、すべての必須アミノ酸をバランスよく含んでいる食べ物と言えます。

アミノ酸スコアを把握しておけば、食べ物を選ぶ際にどの程度アミノ酸が摂れるかを見極められるでしょう。

アミノ酸スコアとは?高い食品やスコアを見るときの注意点も

アミノ酸が摂れる食べ物

アミノ酸は、健康的な体作りに不可欠な栄養素です。体を構成し、生命の維持に必要なたんぱく質はアミノ酸を材料として合成されます。また、アミノ酸を多く含むほどたんぱく質の保有量も多くなります。

アミノ酸が不足すると体の不調の原因となる可能性もあるため、アミノ酸スコアの高い食べ物を選び、体作りに欠かせないアミノ酸を効率よく摂取しましょう。ここでは、アミノ酸スコアの高い食材を種類別に紹介します。

なお、当記事で紹介するアミノ酸スコアは以下の資料を参考にしています。

出典:厚生労働省「特定保健指導の実践定期指導実施者育成プログラムhttps://www.mhlw.go.jp/bunya/shakaihosho/iryouseido01/pdf/info03k-04.pdf#page=14

出典:(一財)日本食品分析センター「46 食品たんぱく質の栄養価としての「アミノ酸スコア」(2005年12月)
https://www.jfrl.or.jp/storage/file/news_no46.pdf

肉類

下記一覧の通り、肉類は全体的にアミノ酸スコアが高く、最高値100の食材です。特に、赤身部分は良質なたんぱく質を含んでおり、ミネラルも多くたんぱく質の吸収力が高いのが特徴です。

また、肉類は健康を維持するのに必要な栄養成分も摂取できます。例えば、牛の赤身にはヘモグロビンの生成を助けるヘム鉄が、豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれています。脂質が気になる場合は、鶏ささみや皮なしの鶏肉を選ぶとよいでしょう。

食品スコア
牛肉100
豚肉100
豚レバー100
鶏肉100
鶏レバー100

魚類

肉類と同様に、魚類の多くはアミノ酸スコアが高く、良質なたんぱく質を含みます。アジ、カツオ、鰹節、真イワシの他、カキやホタテもバランスよくアミノ酸を含有しています。魚介類は高たんぱく質でありながら、脂質が少なくヘルシーな食べ物です。

中でも白身魚は脂肪が少なく淡白なため、調理のバリエーションが豊富で料理に取り入れやすいでしょう。カツオやマグロなどの赤身は鉄分が豊富で、青魚にはDHAやEPAなど良質な脂肪酸を多く含みます。

食品食品
アジ100 
カツオ100
鰹節100
真イワシ100

豆類

豆類の中で、最もアミノ酸スコアが高いのは大豆です。「畑の肉」と言われるように、最高値の100を出しています。スコア一覧では、大豆製品をはじめとして小豆、そら豆、ひよこ豆などバランスよくアミノ酸を含んでいることが分かります。

豆類には、ビタミンB6、B1などのビタミンB群や肉類に含まれない食物繊維が豊富です。大豆にはイソフラボン、小豆にはポリフェノール、ひよこ豆には葉酸など健康な体作りをサポートする栄養を有しています。

食品スコア
大豆100
納豆100
小豆82
そら豆76
ひよこ豆69

卵類

卵は良質なたんぱく質だけではなく、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなど体に必要な栄養素が摂取できます。そのため、生命維持に必要な栄養素をすべて含んだ「完全栄養食」とも言われています。
卵黄はたんぱく質や脂質、ビタミン類、レシチンが豊富な一方で、カロリーが高いのが特徴です。卵白はたんぱく質を主として構成されており、低カロリーです。卵の栄養素を隈なく摂取するには、卵黄・卵白どちらも一緒に食べるのがよいでしょう。

食品スコア
鶏卵100
うずら卵100

穀類

主食になる穀類も、アミノ酸を摂取できる食材です。アミノ酸スコアは、小麦・パンより米のほうが高い数値になっています。動物性たんぱく質に比べるとスコアが低いものの、穀類はエネルギー源となるため欠かさずに摂取しましょう。
穀類は、必須アミノ酸のうちリシン(リジン)が不足していることで、スコアが低くなりやすい傾向にあります。穀類からアミノ酸を摂取する際は、リシンを補いながら摂取するのがおすすめです。

食品スコア
精白米(うるち米)93
食パン51
小麦42

乳製品

乳製品全般はアミノ酸スコアが100で、アミノ酸を摂取するのに適しています。乳製品の中でも、発酵食品であるヨーグルトは、たんぱく質の一部がペプチドやアミノ酸に分解された状態で含まれています。消化によく体内で利用されやすい状態のため、ヨーグルトは吸収率においても優秀な食材です。

乳製品は手軽に摂取できる一方で脂質が多く、ダイエットやカロリー制限をしている場合は低脂肪製品を選ぶなどの工夫が必要です。

食品スコア
牛乳100
ヨーグルト100
チーズ100

食べ物からアミノ酸を効果的に摂取する方法

食べ物からアミノ酸をうまく摂り入れるには、いくつかのポイントがあります。手当たり次第にアミノ酸スコアの高い食べ物を選んでも、より多くのアミノ酸が摂れるわけではありません。ここでは効果的に摂取するポイントを紹介します。食材の選び方として参考にしてください。

・色々な食べ物と組み合わせてバランスを取る
必須アミノ酸は、1つでも不足しているとたんぱく質の生成量が制限されるため、バランスよく摂る必要があります。また、アミノ酸スコアが低くても、足りないアミノ酸を他の食べ物から補うことが可能です。
例えば、米に少ないリシンというアミノ酸は、大豆に多く含まれています。一方で、大豆は米に多いメチオニンが不足しています。米と大豆を一緒に食べれば、お互い足りないアミノ酸を補え、全体の摂取バランスが向上するでしょう。

・サプリメントも適宜取り入れる
効果的にアミノ酸を摂取するには、サプリメントの併用もおすすめです。食品中からのアミノ酸補給は、消化吸収に時間がかかります。また、1日の必要量を食べ物から十分に摂れない場合もあるでしょう。サプリメントを活用することで、特定のアミノ酸を摂る助けとなります。
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動物性たんぱく質と植物性たんぱく質どちらを摂取するのがよい?

肉や魚などの動物性たんぱく質と、大豆などの植物性たんぱく質はどちらを摂取したらよいか分からない方も多いでしょう。それぞれの違いは、下記の通りです。

動物性たんぱく質植物性たんぱく質
必須アミノ酸の含有量多い一部不足あり
消化吸収早いゆっくり
特徴運動後に摂取すると
筋肉の回復を助ける
脂肪量が少なく、燃えやすい

比較すると、動物性たんぱく質のほうがアミノ酸含有量が多いものの、植物性たんぱく質が劣るわけではありません。植物性たんぱく質は脂質が少なく、食材によっては食物繊維やポリフェノールなどの栄養素も一緒に摂取できます。一方で、動物性たんぱく質は吸収が早く、筋力トレーニング時の摂取におすすめです。

どちらか片方だけを摂取し続けると、栄養バランスが崩れてしまいます。動物性食品と植物性食品をバランスよく食生活に取り入れ、不足するアミノ酸を補い合いましょう。

まとめ

アミノ酸スコアの高い食べ物は、肉類や魚類、豆類などさまざまです。アミノ酸が多く含まれているからと言って、同じものだけを食べればよいというわけではありません。

必須アミノ酸は、1つでも不足するとたんぱく質の生成量が制限されます。アミノ酸スコアの高い食材を選ぶ際は、食材に足りていない栄養素を別の食材で補うことでバランスよくアミノ酸を摂取できるでしょう。また、特定のアミノ酸を摂取したい場合にはサプリメントを摂ることもおすすめします。

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