アミノ酸はタンパク質から摂取できますが、摂取量は限られており、アミノ酸サプリで必要量を補う人が増えています。
アミノ酸サプリはその他サプリメントと同様で、効果を断言するものではないため用法が記載されていないケースもあります。そのため、飲むタイミングが分からないという人は多いでしょう。アミノ酸サプリは、飲むタイミングによって期待される効果が違います。
そこで今回は、アミノ酸サプリを飲むタイミングについて解説します。また、定番サプリ3種類の特徴も紹介するので、サプリメントで必要な栄養素を摂取したい・補いたいと考えている人は、ぜひ参考にしてください。
アミノ酸サプリを飲むタイミングはいつがベスト?
アミノ酸サプリは「医薬品」ではなく「栄養補助食品」であり、いつ飲んでも特に問題はありません。自分の好きな摂取タイミングで飲むことができます。
そもそもサプリメントにおいては、どのタイミングに飲めば「身体に良い」「美容に効果がある」などと断言できるものではありません。サプリメントには市販薬のようにいつ飲んだら効果があるといった明示ができないため、商品のパッケージには用法が記載されていません。
しかし、飲むタイミングが決まっていなければ、いつ飲んだら良いのか摂取方法に迷ってしまったり、飲むのを忘れてしまったりすることがよくあります。いつ飲んでも問題はないものの、タイミングを決めて固定しておいたほうが習慣化ができるのでおすすめです。
アミノ酸サプリを飲むさまざまなタイミング
アミノ酸はタンパク質から摂取できます。そのため、バランスのとれた食事を継続することが大切です。しかし、毎日の食事で必ず栄養を摂取するのは簡単ではありません。
近年では、不足しがちなアミノ酸の補給やエネルギー源として摂取するなど、さまざまな目的でアミノ酸サプリを活用する人が増えています。ここでは、アミノ酸サプリを愛飲している人がどのようなタイミングで摂取しているのかを解説します。
起床後
体は寝ている間もエネルギーを使っており、起床直後は空腹=エネルギー欠乏状態です。
起床後にアミノ酸サプリを摂取することで、枯渇したエネルギーを補給し、1日を快適に過ごすことができます。
トレーニング前
アミノ酸サプリを活用するタイミングとして多いのは、トレーニングの前後です。
消費されるスタミナの維持や体力消耗を抑えることが目的の場合は、トレーニングの1時間ほど前に摂取します。
運動時のエネルギー源となる必須アミノ酸は、バリン・ロイシン・イソロイシンの分岐鎖アミノ酸(BCAA)と呼ばれる3種です。分岐鎖アミノ酸はトレーニング時に筋肉で分解され、エネルギーとして使われます。そのため、分岐鎖アミノ酸を摂取してからトレーニングを開始するとよいとされます。
トレーニング後
トレーニング後の身体は筋肉が傷ついている状態です。筋トレの場合、筋肉が一度破壊され、回復するときに筋力が強くなります。傷ついた筋肉が回復するまでの30分間はゴールデンタイムと呼ばれ、このタイミングでアミノ酸を摂取すると筋肉の修復がスムーズに行われます。
また、トレーニング後の身体はエネルギーや栄養素を使い切っており、栄養素が吸収されやすい状態です。トレーニング後のゴールデンタイムは、筋肉づくり・疲労回復の効果が期待できるタイミングとされています。
トレーニングは筋力アップ・ダイエット・体力づくりなど、人それぞれ目的は異なりますが、アミノ酸サプリはさまざまな目的に対して有効と言われています。
夕食時
子どもの成長促進を期待してアミノ酸サプリを飲む場合は、夕食時に摂取するとよいとされています。
成長ホルモンが最も分泌されるのは就寝中です。夕食時に成長を促進する効果のあるアミノ酸が多く含まれる食事を摂ったり、サプリメントで補ったりしてアミノ酸摂取量を増やすことが成長促進に有効とされています。
就寝時
睡眠のサポートが目的の場合は、就寝前にアミノ酸サプリを摂取しましょう。安眠に効果的と言われているアミノ酸は、GABAやテアニン、グリシンなどです。
GABAには、脳の興奮を抑え気持ちを落ち着けるなど、リラックスを促してくれる作用があります。就寝前にGABAをアミノ酸補給することにより、自然な入眠を促す効果が期待できます。
GABAの効果が感じられるのは摂取後2時間ほどです。ぐっすり眠りたい場合は、ベッドに入る30分〜1時間前に摂取するとよいでしょう。
【定番】アミノ酸サプリの種類3つ
アミノ酸サプリには種類があり、目的により効果が期待できる種類は異なります。アミノ酸サプリの摂取で効果を実感したいなら、自分の目的に合ったアミノ酸サプリを選ぶことが大切です。
しかし、どのようなアミノ酸サプリが自分に合っているのかを選定するのは難しいです。自分に合ったアミノ酸サプリを選ぶためには、サプリメントの特徴を理解しておきましょう。
ここでは、人気のあるアミノ酸サプリ3種類の概要と特徴をご紹介します。
必須アミノ酸(EAA)
タンパク質を構成するアミノ酸には、必須アミノ酸9種類と、非必須アミノ酸11種類の合計20種類があります。
必須アミノ酸と非必須アミノ酸の違いは、体内で合成できるかできないかです。9種類の必須アミノ酸は体内で合成できません。対して、11種の非必須アミノ酸はタンパク質を材料にして体内で合成できるという特徴を持ちます。
必須アミノ酸に期待できる効果は、より強力な筋肉を作り、筋肉の分解を抑制する効果です。トレーニング後などに摂取することで、疲労感を抑えられるとも言われます。
必須アミノ酸は体内で合成できないため、食事やサプリメントからしか摂取できません。近年は必須アミノ酸を得るために、バランスの良い食事を心がける以外に、アミノ酸が配合されているサプリメントで効率良く補う人が増えています。
分岐鎖アミノ酸(BCAA)
BCAAとは分岐鎖アミノ酸の略です。9種類の必須アミノ酸のうち、バリン、ロイシン、イソロイシンの3種を指します。つまり、EAAの一部がBCAAです。
分岐鎖アミノ酸は筋肉中のアミノ酸に多く含まれており、その割合は約35%を占めると言われています。筋肉にとって重要なアミノ酸であり、運動時のコンディションをサポートする効果が期待されています。
分岐鎖アミノ酸を含むサプリメントは、プロのアスリートや筋トレでボディーメイクをしている人や、ランニングや登山などのスポーツをする人などから人気のサプリメントです。
γ-アミノ酪酸(GABA)
γ-アミノ酪酸(GABA)は、アドレナリンの分泌を抑制し、神経の高ぶりを抑え興奮を鎮める効果が期待できます。
人がストレスを感じる仕組みには、交感神経と副交感神経が関わっています。緊張状態は交感神経が優位に、リラックスしている状態では副交感神経が優位な状態です。
ストレスを感じると脳が緊張状態になり、交感神経が優位に働くことで神経が高ぶります。緊張状態を落ち着かせてくれるのが、γ-アミノ酪酸の副交感神経を活発にする成分であると言われています。
γ-アミノ酪酸は食事から摂取でき、特に多く含まれているのが発芽玄米です。漬物や味噌などの発酵食品にもγ-アミノ酪酸が含まれています。
まとめ
アミノ酸サプリは飲むタイミングに決まりがなく、自分の好きなタイミングで飲んで構いません。ただし、アミノ酸サプリを摂取する目的がある場合は、その目的に合ったタイミングで飲む必要があります。トレーニングの前後や夕食前、就寝前などが主なタイミングです。
アミノ酸サプリには種類があり、定番サプリとして必須アミノ酸、分岐鎖アミノ酸、γ-アミノ酪酸の3つがあります。それぞれ同じアミノ酸ですが、特徴は大きく異なり期待される効果もまた違います。得たい効果が決まっている場合は、アミノ酸の種類にも注目して商品を選ぶとよいでしょう。