香水は外出前につけるイメージがありますが、近年は寝る前につけて香りを楽しむ「寝香水」が話題になっています。寝香水は、お気に入りの香水を自宅で活用したい人はもちろん、リラックスタイムを充実させて仕事の疲れを取りたい人にもおすすめの習慣です。
当記事では、寝る前に香水を使う場合の方法や期待できる効果、正しい香水のつけ方について詳しく解説します。香水に興味がある人は、ぜひリラクゼーション感覚で生活に取り入れてみてください。
寝る前に香水をつける効果
寝る前に香水をつけて入眠時や寝起きに香りを楽しむ「寝香水」には以下のような効果が期待できるため、リラクゼーション感覚で生活に取り入れる人が増えています。
・安眠しやすくなる
人は好きな香りを嗅ぐと呼吸が深くなると言われています。深呼吸は自律神経の乱れを整える働きを持ち、安眠には欠かせない要素です。日常生活のストレスによって刺激された交感神経を抑制し、副交感神経優位の状態を作ることで、質のよい睡眠が期待できます。
・朝にほんのり香る
夜に香水をつけると、眠っている間に寝返りなどの動きによって香りが程よく拡散されます。翌朝はほんのりと香る程度に落ち着いているため、「つけたての香水は香りが強くて苦手」と感じる人にもおすすめです。
寝香水は手軽に楽しめる上にリラックス効果も期待できるため、普段香水を使わない人からも注目されています。
寝る前の香水のつけ方
実際に寝る前に香水をつける際には、気をつけたい点がいくつかあります。寝香水の効果を最大限引き出すために、正しい香水のつけ方を知っておきましょう。
ここでは、香水をつけるタイミング、香水をつける場所、香水をつける量の3点について解説します。ポイントを理解して、自分の好みに合う香水のつけ方を見つけてください。
香水をつけるタイミング
香水はつけてからの経過時間によって、トップノート、ミドルノート、ラストノートと呼ばれる3段階で香り立ちが変化します。中でもトップノートははっきりとした香りを感じるため、寝る直前に香水をつけるのは避けるほうがよいでしょう。強い香りの刺激で脳が覚醒してしまい、眠りの妨げとなる恐れがあります。
寝香水による安眠効果を得たい場合は、寝る1時間程度前に香水をつけるのがおすすめです。適度に香りが落ち着き、リラクゼーション効果を高めてくれるでしょう。
香水をつける場所
香水の香り方は、つける場所によってさまざまです。一般的には、身体の中でも太い血管の通る場所や体温の高い場所につけると、香りがよく広がるとされています。
<寝る前に香水をつけるのにおすすめの場所>
・耳裏、うなじなどの顔に近い場所
耳や首は血管が多く集まっているため、香水をつけると特に香りが広がりやすい場所です。位置が高く顔に近いため、よりはっきりとした香りを感じるでしょう。存在感のある香りを求める人におすすめの場所です。
・ウエスト、膝の裏などの下半身
ウエストや膝の裏は顔から遠く、香水をつけても香りが主張しすぎることがないため、寝る前に香水をつけるにはおすすめの場所です。同じ下半身でも、ウエストは体温が高く、膝の裏は体温が低いなどの違いがあります。自分の好みに合わせて場所を調整しましょう。
・手首
手首は香水をつける定番の場所として知られています。太い血管が通っているため、少量の香水でも香りが広がりやすいのが特徴です。手首に香水をつける場合は量に注意しましょう。顔からの距離はありますが、腕を動かすたびに香るため、香水をつけている実感を得やすい場所です。手を顔の近くに置いて眠ると、香りをしっかりと感じられます。
・パジャマ、部屋着
肌ではなく、パジャマなどの布地に香水をつけるのも1つの方法です。香水を直接吹きかけるとシミや変色の原因となる恐れがあるため、少し離れた位置から軽く吹き付けるとよいでしょう。
・枕、ベッドカバーなどの寝具
枕やベッドカバーなどの寝具に香水をつけると、寝返りの度に空間全体に香りが広がります。寝具のどこに香水をつけるのか、自分の好みに合わせて調節してください。しっかりと香りを楽しみたい人は、枕元など顔から近い場所につけるのがおすすめです。
香りが強すぎると、せっかくの寝香水の安眠効果が十分に発揮されません。寝る前に香水を使う際は、つける場所をいくつか試しながら自分の好みを探りましょう。
香水をつける量
人によって心地よいと感じる香りの強さは違います。香水をつける際は少量から試してみるとよいでしょう。重ね付けして調整する中で、自分が心地いいと感じる香りを知ることができます。
「ボトルタイプやスプレータイプの香水は量の調整が難しい」と感じるなら、練り香水を使うのもおすすめです。指にとってつけるタイプの練り香水を使えば、量の微調整が簡単にできます。練り香水は香りの拡散性が低く、さり気なく香りを楽しめる人気のアイテムです。
寝る前の香水におすすめの香り
寝る前につける香水の香りは、外出時につける香水とは違う観点で選びましょう。重視すべきポイントは主に3つあります。
・リラックスできる香り
・自分の好きな香り
・優しく落ち着きのある香り
例えば、ペパーミントやレモンなど清涼感のある香りは目が冴えてしまうため、寝香水には不向きだと言えるでしょう。寝る前の香水におすすめの香りと特徴は、以下の通りです。
香りの種類 | 特徴 |
ウッド系 | ・自然で優しい香り、リラックス効果が期待できる ・お香やお線香に使用されるなど、日本人になじみが深い香り ・サンダルウッド(甘めの香り)、シダーウッド(スパイシーな香り)といった種類がある |
ラベンダー | ・フローラル系の甘さとハーブの爽やかさを併せ持った上品な香り ・安眠効果が期待できるとして、睡眠用のフレグランススプレーなどのアイテムに多く使用されている ・鎮静効果、鎮痛効果など、心身のリラックス効果があると言われている |
ベルガモット | ・シトラス系の中でもやや甘く、上品な香り ・程よく清涼感があり、ストレス解消効果が期待できる ・アロマテラピーでもよく使用されるポピュラーな香り |
ムスク (ホワイトムスク) | ・石鹸のような、清潔感のある香り ・甘くゴージャスな香りで、女性人気が高い ・香水の他にも柔軟剤やハンドクリームなど日常のさまざまなアイテムに使用されている |
一口に香水と言っても、香りごとに特徴が大きく異なります。気になる香りをいくつか揃えておいて、その日の気分に合わせて使い分けるのもおすすめです。
寝る前に香水をつける際の注意点
寝る前に香水をつける際は、思い描いた香りをそのまま楽しむために、ぜひ以下のポイントに注意してください。
・お風呂上がりの清潔な肌につける
・香水と併用するアイテムはなるべく無香料を選ぶ
・翌朝の香りに気をつける
普段は意識していなくても、生活の中で使用するアイテムで香りつきのものは珍しくありません。洗濯洗剤、柔軟剤、ボディークリーム、ヘアワックス、ヘアスプレー、ヘアコロンなど、人は日常的にさまざまな香りに包まれて暮らしています。寝る前だけでなく、翌朝の身支度に使用するアイテムの香りの有無も確認してみましょう。
寝香水と異なるテイストの香りがついたアイテムを使用する際は、シャワーで洗い流すなど寝香水の香りをリセットするのも1つの解決策です。
まとめ
寝香水は、リラクゼーション感覚で楽しめる香水の使い方です。好きな香りを寝る前につけることはリラックスタイムの演出方法として効果的であり、安眠作用や癒やしの効果が期待できます。香水はつける位置や量によって香りの強さ・持続時間が変わるため、好みに合わせて調整しましょう。
香水を使い慣れていない人や量の調整が苦手と感じる人には、練り香水タイプの商品がおすすめです。練り香水は香りがマイルドでさりげなく楽しめることから、香水初心者にも人気のアイテムです。ぜひ一度お試しください。