香水(フレグランス)は女性だけのものではなく、大人の男性の魅力を底上げしてくれるアイテムでもあります。よい香りがする人には、自然と好感を持つものでしょう。しかし、香水にはさまざまな商品があり、香りの強さや持続時間も一様ではありません。そのため、選び方が分からない、使い方が難しいと感じるかもしれません。
そこで今回は、香水の種類別に香りの持続時間と時間経過による変化、持続時間を伸ばす方法と、合わせてメンズ香水の効果的なつけ方をシーンごとに紹介します。
【種類別】メンズ香水の持続時間はどのくらい?
香水の持続時間は配合される香料の濃度により異なり、濃度が高いほど持続時間は長くなります。香水は大きく分けて、濃度の高い順に下記の4種類に分類されます。
- パルファム
- オーデパルファム
- オードトワレ
- オーデコロン
香水の分類は一般的なもので、法律の規定はありません。ブランドや商品によって持続時間はさまざまです。
ここでは、一般的な基準に従って香水の種類と持続時間を解説します。香りを持続させたい場合は、持続時間を目安につけ直しましょう。
【パルファム】約5~7時間
パルファムは香水の中で最も香料の濃度が高く、15〜30%程度含まれています。濃度が高い分、香りの持続時間も4種類の中で1番長く、約5~7時間です。華やかで存在感がある香り立ちゆえに、つけるシーンが限定され、コスメ売り場での取り扱いは多くありません。
パルファムはごく少量でも香りを感じられます。パルファムはつける量やつけ方の難易度が高く、使用する場合は1滴程度を肌の上に乗せます。上半身よりも、下半身のほうが香りが立ちにくいため、まずはひざ裏などで試してみるのがおすすめです。スプレータイプの場合は、1プッシュを体から20センチ程度離して使用します。
【オーデパルファム】約3~5時間
オーデパルファムの香料の濃度は8~15%程度です。香りの持続時間はパルファムよりも短く、約3~5時間となります。オーデパルファムは、ハイブランドの人気商品を含め売り場でも多く取り扱われており、種類が豊富なため自分好みの香りを探しやすいでしょう。
パルファムよりは濃度が低いとはいえ、オーデパルファムも十分に香ります。香りが苦手な人もいるため、つけすぎには注意が必要です。オーデパルファムは1~2滴を目安にし、肌の上に線を描くイメージで乗せます。ひざ裏など下半身につけると柔らかく香ります。より強い香りを出したい場合は、手首や首筋、肘の内側につけるのがおすすめです。スプレータイプの場合は、1プッシュが目安です。
【オードトワレ】約3〜4時間
オードトワレは香料の濃度が5~8%程度です。濃度が低いため、香りの持続時間が約3~4時間と比較的短く、軽いつけ心地でカジュアルに香水を楽しめます。1日中香らせたい場合は、外出先にも香水アトマイザーを携帯するなどして、数回のつけ直しが必要になるでしょう。
オードトワレはさり気なく香るものが多く、香水をまだ使ったことがない人や初心者がデイリー使いするのにおすすめです。オードトワレは、1~2滴を目安に線を描くように肌に乗せます。手首や首筋など、香りが立ちやすい場所に塗布しても、強すぎると感じることはないでしょう。スプレータイプの場合は1プッシュが使用量の目安です。
【オーデコロン】約1〜2時間
オーデコロンの香料の濃度は、4種類の分類の中で最も低く3~5%程度です。そのため、香りの持続時間も短く、約1~2時間になります。オーデコロンは、つけている本人だけが感じるようなライトな香り方が特徴です。気分を変えたいときや就寝前など、自分自身で香りを楽しむ際におすすめです。
短時間で香りが薄くなるため、強い香りが苦手な人でも気軽に使用できます。オーデコロンは、2~3滴を目安に、肌の少し広い部分に「面」で乗せるのがポイントです。手首や耳の後ろ、胸元など香りを感じやすい部位につけても、しつこくならずに香りを楽しめるでしょう。スプレータイプの場合は、気分に合わせ2~3プッシュします。
香水の香りは持続時間で変わる?
香水は始めから終わりまで同じ香りではなく、時間の経過に伴い3段階で変化します。香りが変化する理由は、香水は複数の香料を組み合わせて作られる場合が多く、香料により揮発性や持続性が異なるためです。それぞれの段階に違ったよさがあり、変化を楽しめる点も香水の魅力でしょう。
香水の香りは、つけたては強く感じ、時間が経つほど柔らかくナチュラルな香りになることが一般的です。以下では、香りの変化の3段階について詳しく説明します。
トップノート | 香水をつけてから5~10分後の香りです。3段階の中で最も香料のはっきりとした香りを感じます。 つけた直後のツンとした刺激のある香りは、原材料に含まれるアルコール分で香水本来の香りではありません。 店頭などでトップノートを確認する際は、塗布後5~10分程度待ちましょう。 |
ミドルノート | 香水をつけてから30分後の香りです。ミドルノートは香りの3段階の中で中間に位置し、香水の「主役」とも言える代表的な香りを放ちます。ミドルノートの持続時間は1~2時間程度です。 大切な予定がある日は、約束の30分~1時間前に香水をつけると、相手にミドルノートを感じてもらえます。 |
ラストノート | 香水をつけて2~3時間後の香りです。つけた人の体臭と合わさり、同じ香水でも人によって違う香りになります。 3段階の中では最も角が取れて馴染んだ香りになるため、ラストノートが好みだという人もいるでしょう。 柔らかな残り香を感じてもらいたい場合は、約束の2時間ほど前につけることをおすすめします。 |
香水の持続時間を伸ばすつけ方
香水の持続時間は、つけ方によって長くすることができます。ここでは、香水の香りを十分に引き出しつつ、持続時間を伸ばすつけ方について3ステップで解説します。
【STEP1】シャワーを浴びる
香水をつける前には、シャワーを浴びて体を清潔にしましょう。汗は香料と混ざると不快な臭いに変化することがあるため、シャワーで汗や汚れを落とす必要があります。ボディソープや石鹸は香水の香りを邪魔しないよう、無香料がおすすめです。
【STEP2】体を保湿する
保湿された肌に香水をつけるほうが、乾燥した肌につけるよりも香りが持続します。シャワー後は無香料のボディクリームなどで保湿しましょう。乾燥する季節は特に念入りに行います。
【STEP3】体温が低い場所につける
体温が低い場所に香水をつけるほうが持続時間は長くなります。香水は、体温が高い部位では香りやすく、低い部位では控えめに長く香る特徴があります。太ももやひざ下は体温が低い部分のため、香水の持続時間を伸ばすのにおすすめです。冬場で肌の表面温度が低くなりすぎる場合は、手首などにプラスするとよいでしょう。
シーン別!香水をほんのり匂わせるつけ方
香水は、毎回同じ量を同じ場所につければよいのではなく、シーンによってふさわしいつけ方があります。下記ではシーン別におすすめのつけ方を紹介するため、ぜひ参考にしてください。
・女性と一緒に食事に行くとき
食事に行く際は、料理を味わいつつ相手との楽しい時間を過ごすことが大切です。香水の香りは料理を味わう場面ではマイナスイメージを与えることもあります。食事に行くときは香水をつける量は少なめにし、香りが立ちにくいひざ裏やくるぶしにつけるのがおすすめです。
・歩く際にふんわり香らせたいとき
オフィスや街中ですれ違う際によい匂いがして、相手に無意識に好感を持つ経験がある人もいるでしょう。ふんわりとした香りを纏いたい場合は、香水を太ももやふくらはぎにつけるのがおすすめです。足の動きに合わせて香らせることができます。
・去り際に香りを印象づけたいとき
去り際に踵を返したときによい香りがすると、相手に好印象を残せます。好印象を残せば、次回会う際に会話がしやすくなるでしょう。去り際の残り香は、えりあしなど体の背面に香水をつければ出すことができます。
・自分で香りを楽しみたいとき
普段から生活に香りを取り入れ、楽しんでいる人には素敵な雰囲気が漂います。自分で香りを楽しみたいときは、胸元や首筋などにつけると存分に香りを感じられます。ただし、胸元や首筋は香りが立ちやすい部位のため、つけすぎには注意しましょう。
まとめ
香水は一般的に香料の濃度により4種類に分けられ、濃度が高いほど持続時間は長くなります。香水の香りは時間経過とともに変化するため、大切な予定がある際は、約束の時間から逆算して香水をつけるとよいでしょう。
香水をつける前は、シャワーや保湿を済ませ、体温の低い部分につけると香りの持続時間を伸ばすことができます。また、シーンに合わせてつけ方を変えると、印象を変えることが可能です。
香水の中でも「練り香水」は、クリーム状のベースに香料が入っており、優しい香りが特徴です。周囲に香りが広がりすぎず、オフィスでの使用に慣れていない人や、香水を使い慣れていない人にもおすすめです。気になる香りがあればぜひ試してみましょう。